Webサービスを作るということについてまとめておきます。
Webサービスを作ると言ってもいろいろな角度があると思いますが、収益モデルをメインに。
Webサービスの売上とは
Webサービスの売上は大きく分けてよっつ。簡単に説明します。
- 有料課金(月額課金)
- 広告モデル
- EC (eコマース)
有料課金とは、そのサービスを利用するためにクレジットカードやWebマネーなどを利用してユーザが課金するタイプ。ニコニコ動画の優良会員や、Yahoo!プレミアム会員などのモデル。
通常、無料会員と有料会員によってサービスに差をつけるケースが多い。
デジタルコンテンツ販売は後述するECとも有料課金とも言えますかね。企業がアカウント費用を払うケース(ASPやSaasなど)も、とりあえずこれで考えるとわかりやすいかもです。
広告モデルは、その名のとおり利用するユーザは無料、無料で集まったユーザに向けてWebサービス提供会社が広告を掲載することで売上を得るタイプ。ポータルサイトやブログサービス、Googleなどのモデル。
Webサービスは無料という概念が多いので、Webサービスは広告モデルが主流かと思います。
ECはリアル(デジタルも?)の商品などをWebを通じて販売するタイプ。Amazonや楽天のモデル。
もちろん、広告モデル+有料課金、ECもやっちゃおうみたいなものや、アプリは有料みたいなケースなど、さまざまなケースがあります。
Webサービスの収益とは
Webサービスの収益(売上じゃなく)は、上記の売上モデルから、サーバや開発費用、運営人件費などを差し引いたものが収益になります。
Webサービスを立ち上げる主なコストとしては、
- サーバ費用
- 開発費用(Webやプログラムなど)
- ドメイン費用(〜.comとか〜.jpみたいなもの)
その他、ECなら仕入れやクライアント開拓費用(営業費用)がかかるでしょうか。広告が必要であれば、広告費用もコストとしてのってきます。
インターネットやITの普及の背景としては、以前までは必ずかかっていたコストが、インターネットやITを利用することで大幅に削減でき、無料や安価で提供できるようになったことが大きな要因になります。
情報が無料で手に入ったり、大量の家電を売るには、人が多い場所に大きな売り場が必要だったものが、Web上にアップするだけで売買できるという状況ですね。
そして、Webサービスを立ち上げるコストはプログラマの増加により人的コストの低下、技術の発展によりどんどん下がっています。
一人でWebサービスを立ちあげたり、アプリを作成して大金を得たりする人が増えてきています。
収益構造は簡単に言うと、上記売上からコストを差し引いたものです。
売上 ー コスト=収益
Webサービスの収益を上げるには
収益構造は上記のとおりなので、収益をあげる(増やす)には、売上を上げて、コストを下げること。
そんなことはわかっているよ、と思うかと思いますが、案外何も考えていない人が多いです。ということでも書いてみようかと。
Webサービスで収益を上げる一番大切なことはユーザを増やすこと。Webにアクセスするユーザを増やすことですね。
そして、ユーザを増やすためにできることは、
- 検索エンジンからのアクセスを増やす
- 広告をうつ
というのが一般的でしょうか。このあたりはいつかどこかで書くとして、ユーザを増やすには優良なコンテンツを増やすことが大切ということを言いたいのです。
優良なコンテンツというのは、そのWebサービスがユーザに提供するもののことで、ECであれば魅力ある(モノも価格も)商品、FacebookなどのSNSでは人や人の活動、動画サイトであれば動画です。
それらがコンテンツの本質機能で、検索やUIなどは表層機能です。もちろん大切ですが。
なぜ、それがそこまで大事かというと、Webサービス、インターネットでは、ユーザが他のサービスを選択するコストが限りなく低いからです。
目の前にあるカフェのコーヒーが250円で、1km歩いた先にあるカフェのコーヒーが220円だとしても、目の前のカフェを選ぶ人がいる。それは1km歩くのが大変だから。
Webではそのコストが限りなく低い。
このあたりもどこかの機会で書くとして、そういうことを意識して、誰に対して何を提供するのか、どうやってユーザを増やすのかを考える必要があります。
そして、コストですが、よく聞くのが、『3人で会社を立ち上げた!オフィスも借りた!お金も借りた!あとは頑張るしかない!』みたいな話。
素敵で熱くて良いのですが、3人ということでコストがかかり、オフィスを借りることでコストがかかるということを意識しなければいけない。
Webサービスは基本的にPCがあればなんとかなってしまう世界。一人で、自宅を利用して、そしてサラリーマンしながら副業で同じことができてしまう世界で、3人の人件費とオフィスのコストを背負って戦うことのメリットがあるのであれば良いですが。。
主婦でWeb制作をしている方が多くいらっしゃるのも、コストが低いので単価が低く発注できるので、信用さえできれば企業、主婦双方にとってメリットのある形になっています。
体裁もあるし、気合いが入るかもしれませんが、そのコストをまかなうために、自分たちのしたいことでないことに時間をとられてしまうベンチャーもあります。
ということで、無駄なコストは省きましょうというお話です。
Webサービスの難しいところは、収益を出さなくても(赤字でも)伸びているのであれば、積極投資するケースがよくあります。Amazonはずっと赤字でしたが積極投資をして、売上を拡大させるために注力しました。
どこにヒト・モノ・カネのリソースを使って、どこを節約するのか。
ということです。
Webサービスの収益メリットとは
ということで、Webサービスを運営するメリットは大きく、
- 参入費用が安い
- ストックビジネスに近い収益がある
- 場所を選ばない
ということでしょうか。
ストックビジネスとは、簡単にいうと積み上げて売上になっていくモデル。対義語としてフロービジネス(その都度売上があがるモデル)がある。詳しくは調べて下さい。
ECはフロービジネスになりますが、まぁそのあたりはアレで。。
ユーザを集めるのは大変ですが、検索エンジンに評価されてユーザが増えてくると、ユーザが増えたことによって、さらに検索エンジンの評価があがり、ユーザが増えるというサイクルに入ります。
またサイトの年数が増える、更新してコンテンツが増えることにより、検索エンジンの評価もあがります。
広告はユーザの数やPVによって増えるので、ユーザが増えるサイクルに入ると、売上がどんどん上がります。
逆にいうと、ユーザが増えるまでは大変なモデルになります。
広告代理店と比較すると、広告代理店は売上をつくること、早期に売上を上げることは、クライアント(メディアと発注主)がいればつくれます。ですが、どちらかが枯渇した時点で売上は0になります。メディアや発注主の倒産などによって、広告代理店が倒産してしまうケースも多いですね。
Web制作や開発請負などもフロービジネスです。
早急に売上をたてることができるが止まると売上が落ちてしまうフロービジネス、売上をたてるのに時間がかかるが、一度売上があがると安定するストックビジネスか、ということになります。
そして、時間がかかるということは、他人(他社)が参入しても、ライバルになるまでに時間がかかるということで、参入障壁にもなります。
場所を選ばないというのは、場合によってはPC一台でできてしまい、サービス自体はレンタルサーバで運用という形であれば、レンタルサーバにアクセスできる環境、つまりPCとインターネット環境があれば、どこででも仕事ができるということです。
スタバでMacでノマドスタイルというのが格好いいかどうかはわかりませんが、家賃の安いエリアに住んで運営することでコストを落とすこともできるでしょうし、月20万円の売上でもアジアの発展途上国に行けば、リッチな生活をすることもできます。
「何やってるの?」と聞かれて「Webサービスをつくってるよ」と言うと、「?」というリアクションが多いのですが、意外とメリットが多いビジネスだと思っていますよと。